一般に安いとされる建売住宅。あらゆる面でコストを抑える「工夫」がされていると思います。建物の構造、耐震性はコストを理由に手を抜かれてはたまりません。構造、耐震性に関してはこちらをご覧下さい。
では、家の中はどうでしょうか?建売は家の中の設備も全て決まっています。今回は特に女性の方が気になるであろう、キッチンに注目してみたいと思います。
目次
キッチンのタイプは?
大きく分けると、対面キッチン、壁付キッチン、独立キッチンに分類されます。さらに、対面キッチンは、アイランド型とペニンシュラ型とに分かれます。アイランド型は四方が壁に面していないため、どこからでも回り込めるタイプでペニンシュラ型は片方が壁に面しているタイプです。何かのデータに基づく訳ではありませんが、建売では対面式のペニンシュラ型が多いように感じます。アイランド型はオシャレで最も人気が高いのですが、文字通り「島」として四方のスペースを空けなければなりませんので、元々の広さが無いと厳しいと言えます。その分、ペニンシュラ型は一方は壁に面しているので、対面を実現しながら、場所も取らないというメリットがあります。
壁付きキッチンは一番場所を取りませんのでリビングのスペースが広くなりますがあまり採用されません。なぜならば、建売を検討するターゲット層は子育て世代も多く、料理をしながらリビングの子供の様子を見たいという需要があるためです。
独立キッチンも同様の理由で、あまり採用されていないと思われます。一番平均的なニーズを抑えていくという建売業者のマーケティング戦略によるものでしょう。
キッチンのスペックは?
これは建売メーカーによってどの商品を採用しているか様々ですが、市場価格で言えば20万前後のものが多いように思います。(実際は大量に買うのでもっと安い価格で仕入れていることは間違いありませんが)上で書いたようにキッチンの種類も様々であるように、機能も様々です。建売で採用されているものは、いわゆる「普通」のキッチンで悪く言えば可もなく不可もなく、よく言えば誰でも満足度が高いものを採用していると言えるでしょう。建売はコストとの戦いです。キッチンはある程度割り切りましょう。(といっても、日々、キッチンも進化していますので、安くても十分に使えて何の問題もありません)
我が家も例外なく、「普通」のキッチンです。しかし、妻の希望で、キッチンの後ろの食器棚や冷蔵庫などを結構こだわって配置して、なかなか、使い勝手が良い状態になっています。よほどこだわる方でない限りはキッチンのスペックは気にしなくても良いと思います。
建築中物件で契約を決めてしまいたい場合は、どのキッチンを採用するかは決まっていますので、教えてもらうことができます。気に入らなければ、希望のものを交渉してみてください。少しお金はかかるかもしれませんが、場合によっては対応してくれるでしょう。
全てはコストバランスです
いかがでしょうか。繰り返しになりますが、建売はコストとのバランスを最優先しています。家を検討するとき、まず、大手ハウスメーカーの住宅展示場に行くのではないでしょうか。そこで見るキッチンはとても素敵で魅力的です。しかし、実際は展示場ほどのキッチンの広さはなかなか取れないため、注文住宅であってもランクを落としたものを採用することになるのです。
長く使う中で、キッチンもやがてリフォームする時期が来るでしょう。その時こそ、最大限希望にあったものを取り入れてください。それまでは「普通」のものを「普通以上」の使い勝手にできる工夫をしてすごしていきましょう。
皆様がよいマイホームと出会われることをお祈り致します。