建売はなぜ安いのか?その理由は思わぬところにあった

建売と聞くと価格的には安いというイメージがあります。本当に安いのか、安いとすればなぜ安いのか。そのあたりを順番に考えていきたいと思います。

そもそも建売は本当に安いのか?

結論としては安いと思われます。

国土交通省住宅局の全国調査によれば、平均の購入資金では新築の注文住宅が4,334千万円、建売住宅が3,840千万円となっています。(調査対象や条件などは割愛致します)

ただし比較するのが難しいのも事実です。例えば一戸建てを検討するときに、住みたい場所から考えるのが一般的かと思います。その場所に建売があった場合、その価格は土地と建物がセットになって提示されているはずです。この隣の場所にまったく同じ面積の土地だけがあって、建物だけの見積りを別のハウスメーカーから取った上で、土地、建物の合算を見るのであれば、ほぼ同じ条件で価格の比較が出来るわけです。しかし、そんな状況はまずありません。少しでも場所が違えば土地代が違います。広さによっても価格が違います。ですので、そもそも比較することが難しいと言えるのです。

また、一口に「建売」といっても、地元の工務店が建てたものと大手の建売業者が建てたものと、大手ハウスメーカーが建てた建売では材料、工法からすべてが違いますので、比較のしようがありません。例えば、地元の工務店の注文住宅よりも大手ハウスメーカーの建売の方が高い事は十分ありえると思います。

さらに、買う時期によって価格は大きく違います。家に限ったことではありませんが、企業は決算時期などは値引きしても契約したいものですよね。事実、私の家も後で調べてみると、販売開始の価格から400万円程度安くなっていました。大手ハウスメーカーの注文住宅も時期や価格交渉によって違うため、やはりストレートに比較はしにくいと言えるのです。

建売が安い理由とは

次のような理由が考えられます。

材料費が安い

②設計費用が安い

③トータルの人件費、時間的なコストが低い

①材料費が安い

 これは特に大手の建売メーカーの場合ですが、同じ規格で住宅を何箇所も建築していきます。当然材料も同じですから、材料を大量に仕入ることになります。そうなれば、スケールメリットを根拠に価格交渉をし、結果安く仕入れることができるのです。実際、私も仕事上、材料費の見積もりを見たことがありますが、その価格の差は、一般の工務店と大手ではかなり違います。ここが販売価格が安い理由の一つです。

②設計費用が安い

建売はほぼ同じような設計の物件を何棟も立てていきます。間取りを一から設計していく場合と比べて、設計費用は何分の一かに押さえることができます。私も自宅を検討していたとき展示場も見ましたが、注文住宅のハウスメーカーの営業マンが建売住宅を評して、「箱の上に屋根が乗っている感じ」と言っていたのをよく覚えています。

③トータルの人件費、時間的なコストが低い

注文住宅を一から立てていく場面を想像してみてください。まず、一般的には展示場に家族で行きます。それから、気に入ったハウスメーカーを決め、土地まで決まっていれば、まず、地盤の調査から始まります。同時に、間取り、内装、外装、外構などなど何度打ち合わせを繰り返すことでしょうか。(ただ、この時間は幸せな時間かもしれませんね。)打ち合わせを行うのはメーカーの営業担当です。そこに掛かる膨大な時間は同時に人件費でもあります。細かいことを言えば、打ち合わせに使う資料、打ち合わせ場所まで行く交通費等まで含めるとかなりのコストになる訳です。それに比べ、建売はこれらの打ち合わせは全くありません。完成したものを気に入る人がいるか、いないかです。人件費や掛かる手間、時間を含めたコスト少ない事も価格が安い理由の一つなのです。

いかがでしょうか。一般的に建売が安い理由を挙げてみました。特に③の理由は見えにくいのであまり表には出ませんが納得いただけたのではないでしょうか。建売=安い=欠陥あり、ではないという事で、皆様のマイホーム選びの選択肢が広がれば幸です。

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